34/75 広場に向けて

ken1062007-06-07

Duomo 大聖堂の柱です。Piazza Duomo に面して立ち、圧倒的な存在感を広場に向けて放っています。「ここに重要な建物がある」ことを示す列柱です。
写真には見切れて写っていませんが、シラクサの大聖堂はゴシック様式の荘厳な教会です。ここには波乱に満ちた町の歴史が刻まれています。
というわけで、この大聖堂、当初はギリシア神殿でした。町をつくったのがギリシア人ですから自然な事です。紀元前6世紀、ミネルバの神殿としてこの場所に建設されました。
その後、東ローマ帝国が町に侵攻してきて教会に改造されます。さらに、アラブ人の占領によってモスクとして使用された時期が60年ほどありました。現在の姿になったのは、17世紀の大地震シラクサの町が崩壊したのを契機に、バロック様式の大聖堂として大きく改修された時ですね。面白いことに、建物の側面に神殿時代の柱が壁からはみ出ているのを今でも見ることができます。
シラクサはコリントから来たギリシア人が入植して以来、アテネとの内乱、ローマ帝国の侵攻、そして、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)、アラブ人、ノルマン人、フランス人、スペイン人などの占領を受けてきました。こうした歴史の厚みはこの大聖堂がある広場 Piazza Duomo に刻まれています。