まちなみ 2004.10.23

babel

ブリューゲルが描いたバベルの塔です。バベルの塔は聖書に登場する伝説の巨大建築ですね。ブリューゲルの細密描写によって、内部のまちなみまで描かれています。
ところで、塔といってもバベルの塔はひとつの大きなまちを表わしています。しかし神はそのまちづくりを失敗させたのです。旧約聖書「創世記」の11章にその経緯が記されています。
「新しい地に住みついた人々がまちをつくりはじめた。天まで届くくらい立派なまちをつくって有名になろう。この様子をある神が見て、人々の言葉を混乱させてまちづくりを失敗させた。」
したがって、バベルの塔は混乱の象徴と考えていいと思います。
ブリューゲルバベルの塔を描いたのは1563年です。ローマのコロッセオを参照して描いたようです。当時、実在する世界一大きな巨大建築物といえばローマのコロッセオだったのですね。この絵はウイーンの美術史博物館に所蔵されています。