69 透けた空間

桂離宮

松琴亭(しょうきんてい) 桂離宮
江戸時代はじめ
松琴亭(しょうきんてい)は庭園の中に作られた茶屋です。内部はこの写真の様に周囲の緑や池を楽しめる開放的なスペースになっています。気持ちのよい空気が流れる清涼な日本間という感じですね。建築家の西澤文隆氏はこうした日本建築の良質な空間を「透けた」空間と呼びました。「透けた」空間とは西澤氏によると「さえぎりながらさえぎらず、空気を流動させ、内部も外部も同じ質に感じられるようなスペース」がイメージされています。西澤氏は「何さえぎるものなく自然の気の中に浸りつくした状態こそ日本の空間の理想である」と考えていました。
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