水平線 7/75

isozaki florence new station

建築家磯崎新の「フィレンツェ新駅」の模型です。完全フラットな200mの大屋根が提案されています。ブルネレスキの大ドームが垂直への挑戦だったとすれば、磯崎の大屋根は水平への挑戦のようです。200mもある水平な直線はおそらく自然界に存在しないでしょう。水平線は人工的かつ人為的なものですね。そういう意味で古い歴史をもつ都市の中心に、巨大スケールの人工物を建設することに自覚的な姿勢が読み取れます。フラットな200mの大屋根は爽快な水平線を生み出し、長い時間をかけて複雑にからみ合った都市のコンテキストを一刀両断にするでしょう。暴力的ではあっても、この巨大な人工物はさまざまな断片をその屋根の下に統合する。そんな建築かも知れません。