あらがうのが建築 34/75

ken1062006-11-08

あらがう=抗う。建築の使命は自然に「抗う」ことです。人間の生命を守り、暮らしを助けることがその目的です。自然を保護するのも大切ですが、まずは生きるために自然と戦う必要があるはずです。建築は自然に「あらがい」、必要とあれば戦う存在だと思うべきですね。
これは黒部ダムです。高さが180m以上ある日本で一番大きいダムですね。関西電力が発電の目的で建設しました。調べてみると、500億円以上の巨費を投じ、のべ1000万人以上の人々が作業に参加し、150人以上の方が事故で亡くなったあげく、のべ7年の歳月をかけて完成した大事業でした。その代償として、我々は莫大な電気を手に入れたわけです。黒部ダム一つで年間10億kwh。これは100万戸の住宅が4ヶ月で使用する発電量だということです。ちなみに名古屋市が約96万世帯。黒部ダムは自然に「抗う」建築です。