構築すること 39/75

ken1062006-11-13

シチリアにあるギリシア神殿の遺跡です。今から2500年以上前に「構築」された柱です。現代の我々はこの古いふるい柱を見て、よく今まで残ったなぁと感心する一方、古代人の「構築すること」への強い意志を感じ取るでしょう。意志=石のかたまりを一つ一つ積み上げてゆくこと。
「構築すること」への意志は、建築や都市をつくるための原動力です。そしてここには、部分と全体、集合と離散、シンメトリー、軸線など建築術の重要ポイントが多く連動しています。
とはいえ、もう少しラフな感じで「構築すること」をとらえてみると、具体的にはブロックを積んでゆくイメージですね。これと逆なのが、洞窟や洞穴、テント、鳥小屋などでしょうか。これらは既存の山や樹木に依存して作られています。「構築すること」は、何もない大地に一からブロックや石を積み上げてゆくイメージです。
「建築」の核心概念である「構築すること」への意志は、文学や科学など他の分野でも存在します。「建築」という言葉が比喩として使われる場合、通常「構築すること」を意味しますね。