64/75 命

ken1062006-12-08

この写真は、横浜、石川町あたりの様子です。戦後の焼け跡ですね。こういう状態を見ると、人間や建築の原点が何かを考えさせられます。ひとも建物もまちも、地上の全てがぎりぎりのむきだしになった姿をさらしている。当時の人々は「命」ひとつ助かれば、あとはどうにかできると信じていたことと思います。そこで、生きるために、最低限何が必要なのか。その回答の多くが、建築や都市のエッセンスかも知れません。
人間にとって最も本質的で大切なのは「命」です。人間には顔や性格など、ひとそれぞれ異なる個性がありますが、「命」は誰もに共通の核心ですね。建築と人間の関係を考えるときキーワードとなる、ぬくもり、意志、記憶といった言葉は「命」の子供たちです。