近代建築は合理性を重視し、いつでも、どこでも、同じ機能が発揮されることを理想としました。
そのことによって、古い伝統や因習を断ち切り、自由で迅速な人間生活が誘導されたと考えられます。
ところで、昨年、日本の東北地方で起きた3.11は、大津波によって、まちが根こそぎ壊滅してしまった、2万人近い死者が出た、生死を分けた劇的な避難劇が多数あった、原子力発電所が爆発してゴーストタウンが生まれた、、、、等々
これまでの生活では想像もしなかった、あまりにも重く大きい現実が目の前に立ちはだかりました。
その巨大なインパクトによって、惰性で続いていた我々の生活に強烈なパンチを食らわせ、行き詰まっていた社会の制度、システムをばっさりと断ち切って、その断面を露出させたように感じます。
そこに読み取れる、幾つもの「ダメ」を、まずはしっかり見据え、はっきりさせて、全ての日本人が事実を知ることが必要だと思います。
それは、経済や政治ばかりでなく、文化や芸術においても同様です。