様式の寿命

我々が知っている様式は近代になって出てきた「建築」や「歴史」という概念を通過して、わかりやすく定式化されたものです。その誕生は18世紀です。
例えばギリシア様式は今から2000年以上前の建築の意匠ですが、当然ギリシア時代の人は自分たちがつくった建物をギリシア様式とは認識していなかったはずです。2000年以上前にイオニア海エーゲ海を中心としたギリシアの地域につくられた建築物はひと括りにできないほど多様なタイプが存在していたでしょう。我々の知っているギリシア様式はこれらすべてを表象できるとは思えませんね。
様式の誕生は18世紀と言いましたが、この時代に考古学的な発掘調査が初めて行われ、あらためてギリシア時代の建築物の意匠が明らかになったのです。
わかりやすく言えばこうなります。パルテノン神殿ギリシア様式である。神殿は2000年前、様式は250年前に生まれた。従って、現在まで生きてきた年齢がずいぶん違うのですね。建築物の寿命は、石や木の耐用年数などから科学的に推定できるかも知れませんが、様式の寿命はそうはいかないでしょう。時代の流行に左右される部分があるからですね。

style is fiction

Greek Style has been alive till today. Even though over 2000 years has passed, Greek Style is picked up for the design of resort hotel for example. But it is known that Style which we know today must be not the exact same as the one in Greek Period. We can meet the style through the menu that was organized in the 18th century. The other styles have the same origin. Therefore the notion of Style was invented in the 18th century. Dare to say, Style is fiction that can be rewrited.