エジプト、ギリシア、ローマと建築の様式を時代順に一覧する視点が確立したのは18世紀末のことです。これが様式の誕生です。
18世紀はマニュアル化の時代でした。自然科学の分野ではデカルトやニュートンの理論がフランスの啓蒙時代を通して汎用化しました。一般向きではなかったオリジナルの新発見は、啓蒙時代の科学者によってマニュアルとして整備されたのです。建築の世界では古代遺跡の発掘が進み、ギリシア時代やローマ時代の情報が多く集められ、それらを研究することを通して様式が確立され、体系的に整備されてゆきました。
18世紀はイギリスの産業革命、アメリカの独立宣言、フランスの市民革命と時代が大きく転換して近代社会の成立が始まった時代です。中世の権力者が倒され、新しい市民階級が現われました。建築にとっては、パトロンが消え、新たなクライアントとして「市民社会」という不確かな存在が現われたことを意味していました。この大転換は、建築が新しい様式を生み出すことを停止した時期と重なっています。最後のロココ様式はマリー・アントワネットとともに時代から消え、それ以降はリバイバルを繰りかえすばかりで現在に至っています。様式が終わったとき、「様式」が誕生した。こういう見方も可能でしょう。
a catalogue of style
Industrial Revolution in Britain, the Declaration of Independence in America and French Revolution occured in the 18th century. This means social system got to be re-organized into modern one. Within this movement in the architectural field the way of progress of style met big change. No new style created after Baroque or Rococo Style. By means of technical improvement of archeology, the excavation and measurement of ancient remains around Rome were highly proceeded. A lot of informations were collected. The stock was full enough to make ancient styles like Roman, Greek the new model as architectural style. This is the beginning of catalogue making of style.
