37 作庭の極

銀砂灘と向月台

銀閣の前に造作された銀砂灘と向月台は、いずれも砂による造形です。よく知られているようにその存在はとても唐突で周囲の雰囲気に合っていません。しかし多くのアーティストにインスピレーションを与え続ける力強さを持った作品であることには違いありませんね。室町時代の東山文化と無縁であるのかは分かりませんが、銀砂灘と向月台が江戸時代に作られたことは事実です。京都を代表する有名な寺にこうした洗練と調和の連続を断ち切る「不可解」な庭があるのが面白いところです。

慈照寺の銀砂灘と向月台 江戸時代