01/75 立体都市ユニテ

ken1062006-12-21

ル・コルビュジェ Le Corbusier がマルセイユに設計したユニテ Unite d'Habitation は、立体的な都市です。基本的には大型の集合住宅ですが、住戸以外のじつにさまざまな施設が建物内に計画されているんですね。最上階に幼稚園、屋上には公園、プール、体育館があり、中間階には食品店、本屋、郵便局、そしてホテルまであります。住戸のバリエーションは23タイプもあります。
住居としてユニークな点は、2層で一つの単位住戸になっているところです。吹き抜けがあって上下の動線が楽しい空間です。太陽からの陽がたくさん入るような考慮もなされています。
それから、建物全体がピロティで持ち上げられている点も非常にユニークです。周囲の交通は建物によって遮断されることなく自由な行き来が可能になっています。これはコルビュジェの設計思想によるものですね。
建物のシルエットが地面から浮いているようなイメージは、実は豪華客船のメタファなんです。コルビュジェは建築を語るとき、車や飛行機、船などを例に出すことがよくあります。実際、船に乗るのが好きだったようです。
このマルセイユのユニテ Unite d'Habitation は、フランス政府再建省がクライアントでした。つまり国の仕事だったのです。竣工は1952年。全337戸。長さ165m、幅24m、高さ56mの建築物です。