これはオスマントルコ帝国 Ottoman Empire の領土を示した地図です。最大だった17世紀のものです。地中海の東側を覆っていますね。アラビア海に通じる紅海の出入り口を押さえています。ペルシャ湾にも至っています。
オスマントルコ帝国はコンスタンチノープル、今のイスタンブールを都にするイスラム国家です。人々はモスクに通い、熱心に祈りを捧げる国という印象がありますね。モスクは教会同様、人々の生活に密着した建築です。
考えてみると、キリスト教を保護した東ローマ帝国の領土と大きく重なっていますから、各地で教会がどういう目にあったかは大変な話です。しかし実際、彼らは教会を破壊せず、モスクに改造することが多かったようです。首都コンスタンチノープルの大聖堂、アヤソフィアがその代表例です。
東ローマ帝国が存在したのは4世紀末から15世紀中頃。オスマントルコ帝国が存在したのが14世紀初頭から20世紀前半。両者は地中海の東側を中世から近代にかけて支配した国でした。