ベネチアのサンマルコ寺院 St Mark's Basilica, Basilica di San Marco です。ファサードはユニークな混合様式で、ビザンチン、ゴシック、イスラムなどの雰囲気が感じられます。ベネチアが地中海を舞台に広い交流をもっていたことが窺えますね。
建物の平面形は、ギリシア十字のプランの上に５つのドームを載せるという構成です。これはコンスタンチノポリスにあった寺院を参照したとされています。ドームは高さをかせぐために２重殻構造になっています。
ところで、サンマルコ寺院はベネチアの指導者ドージェの個人的な寺院でした。一般に解放されたのは1807年のことです。
ドージェ Doge とはベネチアの終身元首のことで、世襲ではなく新しいドージェは貴族の中から選ばれるならわしがありました。そして、歴代のドージェはこの寺院を大切にしてきたようです。長きに渡って増築や改修を重ね、現在のような豪華な教会になったわけですね。ベネチアの豊かさが如実に現われている建築です。
この場所に最初につくられた寺院は932年に火事で焼失し、その後1094年に再建され現在に至っています。
