71/75 本当の外

ken1062006-12-15

これは古代ギリシアの世界地図です。ヘカタイオスという学者の考えを後の研究者が絵に表したもののようです。地球が丸いことが事実として受け入れられてなかった時代ですから、当然、地の果ては海で終わっていますね。地球は平盤でした。アフリカやアジアは存在しません。
こうした世界に住む人々は「本当の外」が海の向こうにあって、おそらく巨大な滝のように海の水が流れ落ちていると思っていたでしょう。自分たちの知っている、自分たちが住んでいる世界が全てであり、世界は閉じています。海の向こうには誰もいません。
その後、大航海時代を経て、地球が丸いことが事実となってからは「本当の外」は消えました。こうした世界観の大転換が「建築」を考える上でどんな変化をもたらしたのでしょうか。
「本当の外」は地理上からは消えましたが、概念上、都市や建築をめぐるさまざまなイメージに今でも温存されているように思います。例えば、無限のかなたに続く道がどこかで反転して舞台の中心と繋がっている。巨大な広がりのコア部分に実は「本当の外」が存在した。宇宙には質量がある。というように、、、