大自然 30/75

ken1062006-11-04

自然と区別して「大自然」という概念を想定して建築について考えてみようと思います。まず最初のとっかかりとして、「大自然」は「建築」という概念の外側にあって、それぞれ個々の事例として見つけ出せるようなものだとしましょう。「大自然」といった時、それが一体、何を表すのかを、これから様々な事例で考えてゆきたいと思います。(小考その1  大自然 2004.11.04 より引用)
この写真には、峻厳な山々と深い谷が写っています。人間がコントロールできない巨大な自然です。これを「大自然」のイメージと仮定してみましょう。我々が知っている自然は、建築に関する限り人間の手が入ったものがほとんどです。まちの木々や池なども人間の力で維持されています。山々の緑も実はほとんどが植樹されたものですね。木々や池などの自然のものは、橋や建物など人工のものと対になって、「建築」という概念に含まれているのです。
しかし、人間が住むこともできない峻厳な山々と深い谷は、その全体像すら分からない無限の存在です。人工衛星で地球上のあらゆる場所の写真が撮影できる今の世の中にあっても、「建築」をつくり、考える立場に立った時、こうした桃源郷はあって欲しいものですね。