08/75 ジャイアントスラブ

ken1062006-12-30

デンマークの建築家アルネ・ヤコブセン Arne Jacobsen が1964年にデザインしたレストランの計画案です。ドイツのハノーバー Hannover にある広大な王宮庭園の一画に計画されました。2枚のジャイアントスラブだけで構成された単純明快な建築です。ヤコブセンは椅子や照明用ペンダントのデザインでも有名ですね。
さて、この模型、真上から撮った写真を見ると2枚のスラブが少しづれた状態で配置されていることが分かります。スラブの曲率も微妙に変えてあるようです。角度と位置によって地面からの見え方に微妙な変化を生み出す効果をねらったのでしょう。単純なかたちに多様性を与えようとするヤコブセンの意図が読み取れますね。
上部のスラブは屋根であり、展望台が計画されています。下部のスラブは客席や厨房です。
この計画の敷地がある庭園は18世紀につくられたバロック様式です。樹木や花が軸線に沿ってあざやかな幾何学模様を展開しています。そして、このレストランは実にメインの軸線上に計画されているのですね。2枚のジャイアントスラブは庭園の幾何学模様を意識してデザインされたのかも知れません。