ヤコブセン
Arne Jacobsen
(1902-1971)
ヤコブセンはデンマークの建築家です。北欧の良質なデザインはこの作家に依るところが大きいですね。モダン・デザインの旗手としてインターナショナルスタイルの建築を手がけました。
ヤコブセンはコペンハーゲンで生まれ、生涯この地を拠点に活動しました。ロイヤル・アカデミーの建築学校で学び、25歳で建築家の資格を取っています。当時のコペンハーゲンは古典建築が依然支配的でした。ヤコブセンがインターナショナルスタイルに目覚めたきっかけは28歳のとき見たストックホルム博覧会の建物だったようです。これはスウェーデンの建築家アスプルンドが設計したものでした。
また彼が初めて見た実物の近代建築はコルビュジェのエスプリヌーボー館だったようです。1925年のパリ万博で公開された実験住宅ですね。またベルリンの建築家ミースからも多くの影響を受けています。というわけで若いヤコブセンが古典から近代に建築のスタイルを変えることができたのは、アスプルンド、コルビュジェそしてミースによるところが大きかったわけです。
ヤコブセンの名前を有名にしたのは27歳のとき地元の建築家協会が行った設計競技で一位入選したことでした。ヤコブセンは友人と共同で「未来館」を提案しました。円形の建物の上にヘリポートがのっている斬新なデザインです。
彼が手がけた仕事は住宅のほか、公共施設や学校、オフィスビル、工事など幅広い分野に及んでいます。またよく知られているように椅子や照明器具なども手がけていますね。どれもシンプルで美しいものばかりです。
それから54歳から約10年ほど母校のロイヤル・アカデミーで教鞭を取っています。