52/75 インターナショナルスタイル

ken1062007-03-13

「インターナショナルスタイル」International Style を定義した米国人たちです。
左側、本棚の前に立つのがヘンリー・ヒッチコック氏(建築理論家) Henry-Russell Hitchcock、右側のスナップ写真は左からアルフレッド・バー氏(ニューヨーク近代美術館キュレーター) Alfred H. Barr、フィリップ・ジョンソン氏(建築家) Philip Johnson、バー氏の家族の女性です。
1932年、彼らがニューヨーク近代美術館で企画した「近代建築」の展覧会がきっかけで「インターナショナルスタイル」という言葉が広く使われるようになりました。その後、近代建築の代名詞と言っていいほど定着しましたね。
この展覧会の発端は、ニューヨーク近代美術館のキュレーターだったアルフレッド・バー氏がヒッチコック氏とフィリップ・ジョンソン氏に声をかけたことだったようです。バー氏は2人に、当時注目を集めていた建築家40人を選ばせました。その顔ぶれは、コルビュジェ、アウト、ミ−ス、グロピウス、そしてフランク・ロイド・ライトなどです。
また、展覧会にあわせて「1922年以降の建築」という本が出版されました。
「インターナショナルスタイル」の特徴をまとめると次の様になります。
1:建物は平滑な面で囲まれ、全体はヴォリ−ムとして感じられる
2:新しい建設技術と新たな経済性によってもたらされた規則性がある これは意匠上の特徴となっている
3:装飾は用いず、素材感や全体のプロポーションによって建築物としての美学を表現している
ヒッチコック氏たちは「インターナショナルスタイル」を建築史の中で、一つの「様式」として位置づけることを目論んでいました。近代建築にも何か共通する特徴が存在し、それをゴシックやバロックのように見なす事ができるはずだと考えたのです。その特徴が上記の3つという訳です。