10/75 ポンピドゥー・センター

ken1062007-01-07

ポンピドゥー・センター Centre Pompidou のスタディー模型です。実際に建設されたデザインと異なっていますが、当初の基本コンセプトがよく現われています。
展示空間や収蔵庫をコンテナでパックして積み上げる。それを巨大な2枚のスクリーン壁によってサンドイッチする。ファサードのアクセントとしてエレベーターとエスカレーターを取り付け、それが分かりやすいアクセスとなる。建物前には大きな広場を設ける。
これらはどれも大胆で原理的なアイディアです。現代美術を扱うミュージアムのあり方を徹底して追求したことがわかります。その徹底ぶりは模型の色使いが、赤青黄の3原色に限られていることからうかがうことができるでしょう。
現代美術を扱うミュージアムとは、当時どんなイメージだったのでしょうか。ポンピドゥー・センターの設計は新しい美術館の建築型を模索するエポックメイキングな過程でした。展示、収蔵すべき作品は、まだ評価が確定しないものが中心です。そしてパフォーマンスやイベント性の強い作品をどうやって展示、保存するかという大きな問題がありました。美術館には最大限の柔軟性が求められたのです。その結果、固定壁なしの無限定空間が採用されたのですね。
ポンピドゥー・センターは設計競技で実施案が選ばれました。施主はフランス政府です。一位を勝ち取ったのはレンゾ・ピアノ Renzo Piano +リチャード・ロジャース Richard Rogers。審査員はジャン・プルーヴェ Jean Prouve。この三人がポンピドゥー・センター実現の立役者でした。