39/75 コッホ曲線

ken1062007-02-20

コッホ曲線 koch curve をつくる原理です。この単純な操作を無限回おこなうと、線よりは次元が高く、面よりは低い不思議なかたちが生じてきます。1次元と2次元の中間に存在する図形ですね。フラクタル幾何学の定義によると、 1.26次元となり、一般に「コッホ曲線」と呼ばれています。
フラクタル幾何学は20世紀に生まれた新しい数学です。流体や自己相似などがキーワードで、現実に存在する複雑な現象をコンピューターで解析する際に威力を発揮しますね。フランス人の数学者マンデルブロ Mandelbrot がその第一人者です。
この幾何学、コンピューターの計算能力が20世紀の後半になって飛躍的に向上したことで生まれたとも考えられます。海岸線のように細かく見れば無限に複雑な現実の対象を「コッホ曲線」によってうまく近似できる訳です。これもコンピューターのデジタルな解析がなせる技ですね。
さて、建築の分野から「コッホ曲線」を眺めると、例えば「疑似自然」の可能性を考えてみたくなります。人間の意志をはなれて、コンピューターが謎の「疑似自然」を生成したら面白いですね。自然現象のようなデジタルな人工自然。