命 2004.12.08

シンケルのロンドン訪問

建築家の旅日記。その1ページです。書いた人物はドイツ人建築家シンケル。彼が1826年にパリとイギリスを旅行したとき記したものです。

いかにもドイツ人らしく毎日欠かさず、その日滞在した土地や誰に会ったかなどを几帳面に書き記しています。本人はそれが後の世に出版されてしまうとは思ってもいなかったでしょうが、おかげで我々はこの旅日記から建築家シンケルの非常に私的な部分をうかがい知ることができます。

当時彼は45歳。ドイツの国家プロジェクトだった国立博物館をベルリンに計画中でした。その仕事の参考にするため、当時まだ建設中だったロンドンの大英博物館を視察に来たのです。

スケッチ左側は大英博物館の正面。ロバート・スマークのデザインです。大英博物館もやはり英国の威信をかけた国家プロジェクトでした。

後年、ロンドンの大英博物館、ベルリンの国立博物館、ともに19世紀を代表する新古典主義の建物となりました。

その2 完