ロバート・アダム
Robert Adam (1728-1792)
ロバート・アダムは英国の建築家です。生まれはスコットランドで、父親は地元では有名な建築家でした。
はじめ父のもとで修行し兄と建築事務所をはじめます。その後、アダムが20代後半のときイタリアへ遊学に出ています。これはいわゆる「グランドツアー」ですね。イタリアで4年間過ごしました。
この「グランドツアー」でアダムは何人もの著名人と交流し大きく人間を成長させました。経済学者アダム・スミス、哲学者ロバート・ヒューム、建築家クレリソー、ピラネージ。アダムはこうしたビックネームに直接会って貴族社会でのマナーから図面の描き方まで様々な教えを受けています。
さらに実物の古代ローマ建築に接し、実測調査や資料の収集を行っています。
イタリアから帰国したアダムはロンドンに建築事務所を構え、建築家への道を歩み出します。
建築家としてロバート・アダムは、貴族の個人邸宅などを数多く手がけました。内装や家具のデザインもアダム自身が行っています。色彩が豊かで軽やかなのが特徴です。
彼の同時代人には、ウィリアム・チェンバースがいます。二人はライバル関係にありました。チェンバースは公共建築。アダムは民間建築。二人が手がけた仕事は対照的です。