セルリオ

serlio

セルリオ 
Sebastiano Serlio (1475-1554)

セルリオはルネッサンス時代、イタリアの建築家です。「5つのオーダー」を定義した人物として知られていますね。

「5つのオーダー」とは柱の装飾に関するパターンで「ドリス式、コリント式、イオニア式、トスカナ式、複合式」で構成されています。古典建築を学ぶものが最初に覚えるのがこれら「5つのオーダー」ですから、いわば古典の最高原則と言っていいでしょう。

そうした古典建築のベースに当たるものを整備したのがこのセルリオという建築家です。彼には幾つかの実作がありますが、やはり理論家としての存在感が強い人物ですね。

セルリオは生涯で6冊の本を出版し、死後5冊がまとめられ、1566年に出版されました。タイトルは「建築五書」。内容は、幾何学、透視図法、古代遺跡、オーダー、教会です。門やアーチに関するものが6番目の内容でしたが「建築五書」には含まれませんでした。

セルリオの本の特徴はすべての理論が図解されている点にあります。どのページにも豊富な図版が載っている、とてもヴィジュアルな理論書なんですね。

セルリオはボローニアで生まれ、この地で建築を学んでいます。その後、40代になる頃にボローニアを離れ、ローマやベネチアに移り住みました。またフランスに渡って仕事もしています。