29 「形式」を残す

伊勢

伊勢神宮三重県東端にあり、外宮と内宮に別れています。これらは5km離れた別の境内に存在します。式年遷宮は20年に一度ご神体を隣の空き地にお移しする神事で、舞台は内宮です。神様のお引っ越しが式年遷宮の主旨なので、建物の新築や解体ばかりが注目されますが、それらは付随する他の多くの段取りの一部に過ぎません。
式年遷宮は非常にユニークな建築の保存方法です。後世に建築の「形式」を残す珍しいやり方だと言っていいでしょう。古い敷地は古殿地として次回の式年遷宮のためにそのまま空地の状態で保存されます。こうした独特の神事が天皇家の保護のもと1300年以上続けられてきたのですね。

伊勢神宮式年遷宮 次回は2013年