距離と時間 50/75

ken1062006-11-24

ライトの「落水荘」Fallingwater ; Kaufmann House の平面図です。大きな特徴は部屋が連続しているところです。通常の建物の平面図は、四角形の部屋が廊下でつながれていて、部屋の四隅が明確です。それに対して、ライトの平面図はスペースが流れるような印象を受けますね。
「距離と時間」という視点でながめてみると、廊下と四角形の部屋からなる普通の平面図は、すでにスペースが確定されて変化の余地はありません。それに比べてライトの流動する平面図は、「距離」の感覚が「時間」の変化とともに違って感じられ、スペースの多様な演出が可能なのです。建築家が与えた平面計画を基に、周囲の自然とそこに住む人間が彩りを与える。余白と言ってもいいかも知れません。これはライト最大の発明でした。