人間のおもい 49/75

ken1062006-11-23

長野県松本市にある旧開智学校の校舎です。現在は記念館として一般公開されています。開智学校は小学校として明治9年に開校し、昭和38年に閉鎖されるまでの約90年間、信州における教育の中心校として人々に愛され続けてきました。写真の校舎は、90年間の使命を全うしたあと、女鳥羽川沿いの発祥の地から近くのこの地に移築されたものです。
旧開智学校は「人間のおもい」が建築物を生かし続け、機能がなくなった後でさえ、保存されている素敵な例です。現在でも人々が訪れ、愛されているのですね。松本市の資料によると、開智学校の建設費用は7割が住民の寄付だったそうです。そして、校舎のデザインは明治維新にふさわしい西洋風にすることが決められました。そして建設を任された大工の棟梁、立石清重は東京に出来つつあった西洋建築を視察し、手探り状態でこの校舎を作りあげたそうです。
こうしたエピソードは「人間のおもい」が如何に建築に必要か、そして重要かをよく物語っていますね。