64/75 仙台で客死

ken1062007-04-02

スカルパ氏 Carlo Scarpa が日本を訪れた時のスナップ写真です。1978年11月のことです。スカルパはこの日本での滞在中に、仙台で亡くなりました。原因は階段から落ちたことだとされています。詳細はよく分かりません。イタリアを代表する建築家の死にしては、あまりにもあっけないものでした。享年72歳。
ディテール狂の彼が日本で何に注目し、どんな発見をしたかは興味深いところですね。スカルパは「もの」から新たな「空間」を創造することができた建築家です。ディテールから発想し、材料、色、形、感触にこだわり、それらの納まりを徹底して考え抜いた建築家です。職人への要求も厳しいものでした。そして、古い無名の建物でも彼の手によって世界の名建築に昇華された訳ですね。
そんなスカルパが仙台で客死しなければ彼の日本論を聞くことができたかも知れません。