スカモッツィ

vscamozzi

ヴィンチェンツォ・スカモッツィ
Vincenzo Scamozzi (1552-1616) 

V・スカモッツィはビチェンツァに生まれ、父親から建築を学びました。したがってパッラーディオとは同郷であり、晩年の彼と交流があった人物です。

V・スカモッツィの存在は、やはりパッラーディオ抜きにはあり得ません。V・スカモッツィの特徴は、この大巨匠と接触があったこと、テアトロ・オリンピコの現場を引き継いだことなどにあると考えられます。

パッラーディオが亡くなった時、彼は30歳前でしたが主任建築家としてこの現場を引き継ぎました。そして3年後にはしっかり完成させたのです。テアトロ・オリンピコはパッラーディオの作品の中でもユニークな傑作となりました。

V・スカモッツィの作品はパッラーディオ風です。パッラーディオの死後、現在に至るまで生み出され続けているパッラーディオ的建築の最初の走りがV・スカモッツィの作品だったという解釈も可能かも知れません。

V・スカモッツィは、L'Idea dell'Architettura Universale という建築理論書を書きました。内容はルネッサンスと中世の建築に関するものですが、パッラーディオ建築の手引書として読まれ、非常に普及したようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オッタヴィオ・ベルトッティ・スカモッツィ 
Ottavio Bertotti Scamozzi (1719-1790)

O・スカモッツィもやはりビチェンツァに生まれました。パッラーディオの時代から約200年後のことです。O・スカモッツィはパッラーディオ研究の決定版となる作品集を刊行したことで知られる建築家ですね。

Vincenzo・スカモッツィと姓名が同じなのは実は偶然ではありません。V.スカモッツィが亡くなる時、将来ビチェンツァから有能な若手建築家が出たら自分の家名と財産を贈ると遺言していたのです。それに従ってこの人物に「スカモッツィ」の姓が贈られました。

父親は床屋でしたが幼少から建築の才能を示し、それがカプラという貴族の目にとまり、建築家になる教育を受けることができたようです。

O・スカモッツィは建築家ですが、彼の業績はパッラーディオ研究の集大成であるFabbriche e i disegni di Andrea Palladio 「パッラーディオの作品」という豪華な本を刊行したことですね。

これは銅版画による図面と的確なコメントがついたパッラーディオ建築の優れた解説書です。図面は精密な実測によるもので、全ての作品を網羅した決定版です。現在でもこれを超える本はないと言われています。