ベルラーヘ 1856-1934

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ベルラーヘ 
Hendrik Petrus Berlage
(1856-1934)

ベルラーヘはオランダの建築家です。19世紀と20世紀をまたぐ過度期に活躍した人物です。古典から近代への道筋をつけたという点で後続の世代に大きな影響を与えました。代表作はアムステルダム証券取引所です。

ベルラーヘはアムステルダムに生まれ、スイスのチューリッヒにあった工科大学で建築を学びました。その後オランダに戻り、建築活動を始めます。時代としては彼が44歳のとき19世紀が終わる訳ですが、周囲には「近代」を示す実物は何もなかったのですね。したがってベルラーヘは開拓者として未開の原野を切り開く立場に置かされていたのです。

ベルラーヘが参照したのはロマネスク建築でした。彼が結果としてそこから導き出したのは壁面の平坦さです。そして柱と梁の交点や柱頭には装飾を付けないことです。こうした形態に対して材料を率直に用いることを彼は提唱していました。

彼が40代のとき、代表作となったアムステルダム証券取引所を実現させます。設計競技に勝って獲得した仕事です。ベルラーヘは大都市の中心に位置するこの作品で、平坦な外壁を大々的に立ち上げました。背後にロマネスク建築への参照があったにせよ、この平坦さはオランダを超えてヨーロッパ中にインパクトを与える画期性を持っていたのです。この建物が19世紀末に計画され20世紀初頭に完成したのは象徴的ですね。

1911年、ベルラーヘはアメリカに招待され、フランク・ロイド・ライトの建築に出会います。そしてライトをヨーロッパに紹介しました。ベルラーヘがアメリカの建築家ライトを初めてヨーロッパに知らしめたのですね。これは若い世代の建築家に強い刺激を与え、近代建築運動を鼓舞しました。

ベルラーヘはオランダの都市計画も行っています。アムステルダムの他、ハーグ、ロッテルダムユトレヒトの計画案を作成しました。

1928年、72歳のときCIAMの創設に参加しています。スイスで開かれた第一回会議に古い世代の代表として出席しました。そして78歳のときハーグで亡くなりました。