22/75 高さ800m超か?

ken1062007-01-24

「世界で一番高い建物」はカナダのトロントにあるCNタワーで、その高さ553m。一方「世界で一番高いビル」は、現在のところ台湾にある台北101で高さ508mです。
ここで言う「建物」とは建物全般、すべての建築物を含めています。したがって高さが100m以上あったとしても、床面積は展望台の2フロア分しかない様な鉄塔やタワーを含むことになります。また「ビル」は1階から最上階までフロアがあるものを指しています。
しかしこの「建物」と「ビル」の区別は21 世紀に入って意味をなさなくなりそうです。なぜなら、下から上までフロアがあるビルディングであるにもかかわらず世界で一番高い「建物」になるであろう計画が実行に移されているからですね。
まずニューヨークWTC跡地に建設中のフリーダム・タワーが高さ541mで建設中。これはしかし、CNタワーよりは低いです。アラブ首長国連邦 UAE のドバイに建設中の「ブルジュ・ドバイ」は詳しい高さは公表されていませんが800mを超す模様です。まだ計画中ですがシカゴの「シカゴ・スパイア」610mというのもあります。
このように世界一の高さを競って、各地で超高層ビルの建設が始まっているんですね。なぜ今また世界一の高さなのか?その背景には建設技術の革新が近年あったのでしょう。さらなる高さが可能になったのですね。
ちなみにCNタワーは1976年に竣工し、以来30年近く世界一を維持しています。展望ラウンジが350mにある電波塔です。台北101は2004年12月に竣工したばかりのオフィスビルで、階数は101階。台北国際金融センターとして建設され、下層部は大規模な商業施設です。
最後にちょっと高層建築の歴史についてふれておきましょう。最古の高層建築はクフ王のピラミッドで高さ146m。築造されたのは紀元前2500年、以来約3800年間「世界で一番高い建物」でした。ピラミッドは、実は今見ても精巧な建設技術によってつくられたハイテク建築ですね。14世紀になるとキリスト教会の尖塔が150mを超える高さで建設されるようになります。
さらに19世紀後半になるといよいよ建設技術が飛躍的に進歩して、高さ300mを超す建築物が現われてきます。その秘密は鉄骨を建物の柱や梁に使用できるようになったこと、部材を工場でつくり現場で組み立てることが可能になったことなどが挙げられますね。その結果、150m程度だった高さの限界が一挙に2倍以上になりました。ちなみにエッフェル塔が320m、東京タワーが333mです。