23/75 9.11 の衝撃

ken1062007-01-25

2001年9月11日午前9時前、ワールド・トレードセンターに旅客機を激突させるという史上最悪のテロ行為が起きました。多くの人を今なお心身ともに苦しめ続ける蛮行を許すことはできません。しかし、この事実は欧米と中東の長い歴史の中で冷静に考えるべきだとも思います。
9.11 の衝撃は建築を考える上でも大きな影響を与えました。空論より実行。「建築」をメタファー修辞やアイロニー皮肉で語ることの無意味さが決定的になりました。そして何より、21世紀がテクノロジーの否定から始まったという事実にめまいを起こします。
ワールド・トレードセンタービルと旅客機は、どちらも20世紀に我々が獲得した最高の技術品です。高さ417mのツイン超高層建築。200人以上を一度に1万km離れた場所に運べるジャンボジェット機。この2つが晴れわたる朝のニューヨークで激突し、多くの犠牲者を巻き込んで消滅した。最高の技術品がお互いを打ち消し合い、一瞬にして崩壊したのです。
テクノロジーは20世紀に我々が達成した一番大きい成果です。「近代化」の立役者です。そのテクノロジーが真っ向から否定された。「近代建築」の時代が本当に終わってしまった。「自然」に回帰でいいのでしょうか?