70/75 安普請の名作

ken1062007-04-13

鎌倉にある神奈川県立近代美術館のテラスです。風通しがよく、とても気持ちのいい場所です。写真の上は冬の様子、下は夏の様子です。季節によって池から来る自然光が変わり、いろんな表情をつくりだします。
冬は池のハスが枯れて水面が現れてきます。そのため自然光が水面で反射し、テラスの奥まで光が差し込みます。反射光は軒裏にモアレをつくり出しとても綺麗です。
夏になると池にはたくさんのハスが茂って水面が見えないほどになります。そしてハスの葉が夏の強い日ざしを和らげ、緑の冷却効果を発揮します。その結果テラスには涼しい風が抜けて、夏の暑さを忘れられる涼しい休憩所になるのですね。
この県立近代美術館は坂倉準三が設計し1951年に竣工しました。コルビュジェも見学に来た名作ですが、実は低コスト建築としても知られています。安い普請でも、このテラスのように豊かな空間ができることを、この美術館は証明しています。