06 33間堂のスーパー水平性

ken1062014-10-11

前回に引き続き、清盛がらみで今日は33間堂。この建築物も過去に前例のない突然変異だ。

「1000本の手」をもつ千手観音様1000体が一堂に出現。この奇跡のシーンを本当に実現してしまったのが33間堂だ。

33間堂のすごさは実際にその場に行ってみると分かる、感覚を麻痺させるような無限性だ。西洋の空間を対比させて考えると、33間堂の内部は奥行きのない扁平なスペースが延々と続く知覚不能な代物だ。観音様の数があまりにも多すぎて全体が分からない。目の前に居並ぶ観音様は一体どれだけいらっしゃるのか。暫く佇んでいると肉体から心が遊離してくる感覚にさえなる。

二十八部衆が前列に、丈六サイズ(18m)の千手観音座像が中央に配されている。観音様は当然黄金だったし、その仲間の二十八部衆も極彩色だった。そして柱梁は朱塗りだった。

天井はむき出しではなく、化粧垂木がずらっと続く。屋根裏の構造体を見せる荒技はやってない。ちななみに構造体の力動感がすごい浄土寺浄土堂は1194年に上棟している。この33間堂の竣工は1165年。