ルイス・サリヴァン 1856-1924

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ルイス・サリヴァン Louis Henry Sullivan (1856-1924)

サリヴァンは米国の建築家です。シカゴに拠点を置き、パートナーのアドラーと共同で設計活動を行いました。サリヴァンは「シカゴ派」を代表する建築家として高層ビルや銀行など多くの作品を手がけました。

サリヴァンは古典から近代への過度期において先駆的な仕事をしました。当時、エレベーターと鉄骨構造の実用化によって高層ビルが可能になっていましたが、建築史上存在したことのない高層ビルという建築型が如何なる外観を持つべきか、関係者は悩んでいたのです。

この問題に明快な回答を出したのがサリヴァンでした。彼は垂直に伸びる建物を「低層部、基準階、頂部」という3つの部分から構成することを提案し、これが高層建築の意匠のスタンダードとなりました。

サリヴァンの建築思想は「建築のあり方は社会によって決まる」というものです。現在の我々から見ると当然すぎますが、古典建築の側から見ると極めて重大な態度の転換を意味しています。

サリヴァンはボストンに生まれ、神童として16歳でMIT(マサチューセッツ工科大学)に入学します。しかしわずか1年でやめて、建築家事務所で実務の修行をし始めました。途中1年間パリのボザールで学んでいます。23歳のときパートナーのアドラーと出会い、サリヴァンの本格的な建築活動がスタートしました。以降16年間シカゴを拠点に多くの建築物を設計しました。

サリヴァン人間性は芸術家気質で気難しい面があったようです。アドラーと別れてからのサリヴァンは、まだ40代でしたが仕事が少なく不遇でした。アル中と借金に悩まされていたようです。同時にシカゴのパワーも減衰し、新しい建築を生み出す活力が失われていきます。そういう意味からもサリヴァンは「シカゴ派」を代表する建築家だったのですね。

そんなサリヴァンですが、すばらしい建築家が彼の元で学んでいます。フランク・ロイド・ライトやヨーロッパのアドルフ・ロースなどです。