56 二畳間隅炉

待庵

妙喜庵「待庵」1582
千利休
庭に土壁の小さな小屋をつくって、中でお茶を飲む。客を招いて談笑する。自然の中にあって、壁で囲われて落ち着ける場所が草庵ですね。土壁は竹を編み土を塗り込めて作ります。意外に堅牢です。そして中に光を取込むために孔を開ける。それから床に炉を切って畳を敷き、天井を貼る。こうして草庵は完成します。広がる自然の中に小さな喫茶スペースを確保するのが目的です。これはある意味「切り取って閉じる」ことです。それを極限まで追求したのがこの「待庵」でした。
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