08 人間性を見極める小屋

ken1062014-10-14

千利休の茶室「待庵」。客間は2枚の畳のみ。正面にとこの間、0.5帖。主人用の「次の間」と「勝手」が襖で仕切られてとなりにある。それぞれ1帖ずつ。

さて、この2帖半の極小スペースで客と主人はどんなふうに振る舞ったのか。利休のもとでお茶をするとなれば、大物同士の面会だろう。お互い、心と体を研ぎすませて、きびしい激突があったに違いない。一国の存亡にかかわる決めごとが決断される場面もあっただろう。

この極小スペースで茶の動作をすれば体臭までとどいてしまいそうだ。親近感、嫌悪感、優越感や劣等感。いやでもお互いの印象を刻んでしまいそうだ。

自分の素が出てしまう。顔の表情も隠せない。一瞬の動揺とか喜怒哀楽が伝わってしまう。人物を見定める場であったことも納得できる。

客間は、天井の一部が折上げ。壁には窓が2つ。にじり口は他の茶室より少し大きめ。これらは床面積の狭さを緩和する仕掛けだろう。

「待庵」は京都の妙喜庵にある。