55/75 開口部

ken1062006-11-29

建築の開口部は壁や屋根に開けた孔です。窓とは区別すべきですね。一般的に開口部と言えば、壁に設けて設備用の吸排気口にしたり、ダクトを通す貫通孔に使ったりします。当然、枠を取り付けて窓にすることもあります。
日本の伝統建築に開口部の考え方をあてはめたらどうでしょう。茶室のにじり口や障子窓をまとめて「開口部」と呼ぶことができれば、現代の建築物と同じ土俵で茶室をながめることができます。「開口部」を通して光や湿気や音が交換される。「開口部」の位置によって内部の光や温度の分布が変化する。こんな風に伝統のベールに包まれた茶室を即物的に捉えることが可能です。
茶室を設計する場合、にじり口をあくまで「にじり口」と思うか、単なる「開口部」だと考えるか。ここは分かれ目ですね。利休や有楽たちだったら「開口部」だと考えたかも知れません。