ジョージ・ダンス

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ジョージ・ダンス 
George Dance (1741-1825)

ジョージ・ダンスは英国の建築家です。古典建築に自らのテイストを加えてまとめるのが巧かった、つまり部分部分に個性的な独自のデザインをまぎれこませることができた建築家です。

ジョージ・ダンスはフランスのルドゥーやブレと同世代で、彼らは古典を下敷きにしながら、饒舌かつ抽象化へ向かうデザインを行っていました。ダンスやルドゥーの仕事は建築史的にみると「新古典主義」の流れに沿うものです。

ジョージ・ダンスの父親はやはり建築家で、同じジョージ・ダンスを名乗っていました。区別するのに父親には「シニア」息子には「ヤング」を付けることがあります。

ジョージ・ダンスは父の事務所で実務を覚え、17歳のときイタリアへ遊学に行きます。そこで7年間古典を勉強して帰国しました。

その後、ロンドンに Newgate Prison などの傑作を実現し、若干27歳で王立美術院(ロイヤル・アカデミー)の創立メンバーに選ばれています。この頃から彼の名声は大きなものとなっていきました。そして、57歳のときから7年間王立美術院の教授を務めました。

ダンスはさまざまな建築物を手がけましたが、晩年は自己の表現を抑えた簡素なデザインをするようになりました。彼の次の世代にギリシア様式が流行しますが、ダンスのこうした抑制的なデザイン姿勢がこの流行の糸口をつくったと考える歴史家もいますね。

ダンスは50歳になったころから鉛筆で身近な人の肖像画を描き始めます。全部で200人近くを描いています。現在、各所の美術館がそれらのドローイングを所蔵しています。

ジョージ・ダンスの愛弟子にジョン・ソーンがいます。